食材持参の 学校給食
確か、昭和23年のことと思います。脱脂粉乳による牛乳給食
の他にお汁の給食が始まったのです。しかし、まだ食料難は
続いていましたが、食材は各児童が持参することが前提なの
です。一人ひとりがお椀(わん)にいもやカボチャ、にんじん、
大根などをきざんで持って行き、教室に用意されたバケツに
入れて、炊事場へ持っていくのです。
アポチャンは姉も持っていくので、お椀に一杯持って行くことは
できませんでしたが、一応、恥をかかない程度の用意は
できたのです。
誰が炊事すると思いますか。お母さん達が当番を決めてする
のです。アポチャンのお母さんは当番に当たると、妹二人を
連れて来なければなりませんので大変だったようです。
このシステムは一年中するのではありません。農作物の収穫期
から冬季間の限定ですが、4時間終了と同時にお母さん達が
温かいお汁を教室へ運んできてくれるので、楽しみにしており
ました。
50人の児童が一列ごとに並び、先生が均等に配分してくれる
のです。ですからオカワリはできません。勿論、好き嫌いする子は
一人もいませんし、おしゃべりして食べる子もいなかったように
思います。アレルギーの子がいるという話は聞いたこともあり
ませんでした。
[注釈] PTAの協力でお汁の給食を実施した小樽市立長橋
小学校の取組みは先進的なものであったわけです。貧しさの
中に咲くお母さん達の連帯の美しい輪。
物の豊かさが心の貧しさを招いていると指摘されている
昨今ですが、嘆いてばかりいれません。
子どもが学校を休んだ時に、「給食費を払っているのだから
家に給食を届けろ」とか「義務教育だから給食費は払わない」
とクレームをつける親がいるわけですが、心が病んでいるの
です。精一杯生きているのに思うようにならない苛立(いらだ)
ちがそう言わせているのでしよう。一方的な批判をするのではなく、
その人の悩みや不満を聞いてやれる、心のゆとりが求められ
ているような気がします。
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