資格・就職と時間割編成
私は学芸大学の二類小学課程に入学したのですから、小学校教諭二級普通免許状を取得すれば教員になることができるのです。取得単位数の基準が62単位ですから、1年間で31単位。となれば余裕ある時間割を組むことができ、アルバイトの時間確保に役立つわけです。
ところが教員をしている兄の話によれば、中学校の免許状も持っていると就職に有利になるので、多少辛いかもしれないが小学校・中学校の両方の免許状を取得しておくべきであると助言してくれたのです。
入学した翌日から単位取得と時間割編成の仕方についてのガイダンス指導があり、全員がどれかの専攻学科に所属することになっているのです。私は勉強嫌いでしたので体育科ならペーパーテストもないだろうから楽できる、と思い所属を申請しました。
帰宅後、兄に体育科を専攻することにしたと報告すると「体育科を専攻するということは体育科の免許状をとることになり、陸上、球技、マット運動、スキーや水泳などあらゆる運動について学習するんだよ。だから体育の得意な人が専攻することになるのだ。お前は特別得意な方でないから苦労するよ」と教えてくれたので再度考えてみることにしました。
まず、どの教科が一番基準単位数が少ないかを調べてみると数学科で、わずか16単位。もともと数学のみは自信がありましたので、急遽、専攻学科を体育科から数学科へと変更を申出たのですが、時すでに遅く、私は体育科所属と学生必携ガイドブック?に印刷されおりました。
大学は小学・中学・高校と違い、何年何組と所属が決まっているのではなく、専攻学科の研究室がホームルーム代わりになっていたのです。ですから私の場合は最初の申請が体育科ですのでそちらの研究室へ行かなければならないわけですが、途中から変更したものですから数学科の教官にまだ認知されていなかったのです。
このことも兄に報告すると次のようなことを助言してくれました。
① 変更したことをそれぞれの教官に急いで報告しておかなければならないこと。
② 時間割を作成するに当たっては、基準単位のみの履修ではなく、多めに履修し
ておくと単位がとれなかった科目が出た時に助かること。
③ 1年生の内にできるだけ多くの単位をとると2年生の後期は凄く楽になること。
④ 1年生は勉学に励みアルバイトは夏季・冬季休業日に行うこと。
以上の助言に従い、時間割を編成したのですが、週に1回のみ5校時の授業をとらなければならないことになり、帰宅時刻が9時過ぎになるという厳しいものになりました。しかし、へこたれる訳にはいかないのです。小中学校両方の免許を取得し、2年後には一発教員になり、家計を助けたいとの意欲に燃えていたのです。
[注釈] 大学で学ぶ姿勢がどうであるかによって、その後の人生が決まってくるものです。目的を明確化させその具現化のために励むことが大切です。友達の中には、受験勉強が終ってほっとし、麻雀やパチンコ、中には特定の女性と仲良くなり勉学を疎かにして単位数不足により就職できなかった人もいたのです。
単免(タンメン:1つの免許状)は複免(フクメン:2つ以上の免許)より不利です。単免でも部活動で活躍し一芸に秀でていれば別問題です。特に中学校以上の場合は、野球やサッカーの指導ができる先生とか吹奏楽や合唱指導のできる先生などを教育現場で求めていることが多いのです。そうした場合は単免でも有利になります。
教育大学は教員になるための学校なのです。他に職を求めようなどという安易な気持ちは禁物です。このことは、校長や教育長になってから痛切に思ったことなのです。
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