修学旅行へ行きたい! 妹からの手紙
昭和42年のことです。高校3年になった末の妹(6女)陽子(仮称)から手紙です。
内容は修学旅行に行きたいがお金ない。だから援助して欲しいという依頼です。
陽子は昭和25年に40歳になった母親が帝王切開(小樽市立病院で最初の手術)
で産んだ未熟児であり、4歳にして父親を失い、その後、三男の家(小樽)、次男の
家(札幌)と渡り歩き、いろいろな事情で高校2年生の時に母親と二人でまた故郷
の小樽に住むようになっていたのです。
私の兄弟姉妹で高校時代に修学旅行へ行けたのは一人もいなかったのです。
そのことを母から聞いていた陽子ですが、友達みんなが行くのに自分一人だけ行
けないとはあまりにも情けなく思い、母の相談して私に手紙を寄こしたのだと思うの
です。
28歳になっていた私の給料は本俸33,600円(2等級10号俸)です。下宿代が
5,000円でしたし、母への仕送りもしなくてよいことになっていましたので、約50
万円ほどの貯金があったので陽子の要望に十分応える余裕がありました。それで
確か2万円を送ってあげたのです。
それから25年後。私が全国教頭会の研修会で上京した折に、既に結婚して東京
在住の陽子が、横浜を中心に案内してくれ、高校の修学旅行に行かせてくれた
お礼をしたかったと言い、歓待してくれたのでした。
その陽子もついに還暦を迎えることになり、10月25日に群馬県のある温泉で再会
し、5姉兄妹でお祝いをすることになっているのです。
思えば70年の人生でいろいろなことがありましたが、43歳で父を失ってから兄弟
姉妹(10人のうち1人死去)の絆もより強固になり、互いに助け合うことの大切さを
身をもって体験したのです。
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