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2011年1月22日 (土)

地元風景で廊下飾る ユニークな子供の発想

40年間の教職生活にピリオドを打った年、子供たちのユニークな発想と実行力に驚嘆した。その内容が北海道新聞に掲載(平成10年1月22日付け)されたので紹介する。

       地元風景で廊下飾る 「学校の雰囲気明るく」

「私たちの学校をきれいにしたい」と、市内○○小(△△校長、五百九十八人)の五、六年生が、校舎内の廊下に鮮やかな壁画を描いた。塗装がはげた廊下の壁が美しく装って二ヵ月あまり。教諭や在校生、父母などから「学校の雰囲気が明るくなった」と好評だ。

同校の校舎は、築後二十八年。廊下や階段の壁も老朽化して塗装がはがれ、「なんとかならないか」との声が以前からあった。

子供たちの間から、「壁をきれいにして絵を描きたい」との提案が昨年四月の児童総会で出され、続いて六年生有志数人が、職員室まで直談判に行った。

子供たちの熱意に、教諭やPTAも協力。夏休み中に、校舎三階の五年生三クラス、六年生四クラスの教室の壁を塗装し、下地を整えた。

五年生は想像の動植物や乗り物の「空想の世界」を一人ずつ自由に描いた集合作品に取り組んだ。

1 六年生は「ずっと残る絵になるから」と、テーマを「私たちの街・未来へのかけ橋」と定め、未来まで残したいA市の風景を題材に選んだ。

「○○駅」「市役所とタワー」「△△公園」「○○ランド」を学級ごとに描いた。さらに全学級の有志で、「サケがそ上する○○川」をトイレ前の壁に描き、計八枚の壁画が完成した。

一枚が高さ約二・五㍍、幅約八㍍の大作。

大作を描き上げた満足感の分だけ、「学校に来るのが楽しい」、「雰囲気が明るくなった」、「掃除に力が入りますね」と、喜びも大きい。

中心メンバーの一人となった、六年生のSさんは「みんなの努力とたくさんの人の協力で完成できたことがうれしい」と話していた。

この壁画作成に当たって、校長である私は教育委員会に経過説明と作成することの承認、原材料費の負担をお願いしに行った。

当時の教育長と学務課長は「子供の発想や夢を生かしてあげよう。ただし、校舎改築でその作品が消え失せてもクレームをつけないという条件をのんでいただきます。また、ペンキは必要な分量を現物支給します」との言葉を頂いた。

さて、数年後のこと、D町の教育長になっていた私は、予算編成時期に学務課長にこの壁画を見せるため○○小学校を訪問した。

目的はD町の理事者が教育に関する熱い想いを実現させるため、毎年潤沢な予算を教育費につけてくれていた。

しかし、夕張市同様、厳しい町財政にも関わらず、学校側が遊具施設のペンキ塗りやグランドの草取り、廊下床のワックス塗り、トイレ清掃、グランドのヒバの剪定などを全て業者にしてもらうのが当たり前だという教職員の意識。また、教育委員会も前例にならって予算化しようとしていたからである。

このような考え方は、日本経済が右肩上がりの時代に培われたものである。しかし、今のような財政難時代には通用しないことを悟ってもらいたかったからである。

これからは「自助の精神」が大切であることを学務課長も理解し、子供の発想の豊かさと実行力に驚き、「このような学校もあったのですねsign02大変勉強になりました」と感想を述べその年の予算編成に生かしてくれたことを思い出す。

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コメント

おはようございます。居住地の西インド・グジャラート州バローダの今朝の気温は摂氏14度です。炎暑期は夜間もエアコンを稼働させないと睡眠できません。短い冬場の12月-2月の3ケ月は、エアコンが不要の生活ができます。エアコンがないと、熟睡できるので嬉しいです。その快適な生活も、あと1ケ月ですね。

「自助の精神」は、もっとも重要でありながら現代日本人が忘れている生きる姿勢ですね。自分自身で身を助けて生きることができるにもかかわらず、他人に頼る生き方をひとりでも多くの人が改めると、社会も大きく変化すると思います。やはり、家庭教育が重要なのでしょう。今年、満95歳になる母は、動きは鈍いですが、自分の身の回りのことは自分でするという姿勢を実践しています。5人も子供がいながら、できるだけ世話にならないようにと考えているようです。その親の生きる背中を見てきた私も、「自助の精神」を失わないように生きています。ありがとうございました。(インドにて)

投稿: Bharat2009 | 2011年1月22日 (土) 10時20分

こんにちは!
明治生まれの人から学ぶことが多々ありますよね。
お母さんの姿は立派ですね。義母も97歳まで生きましたが冬場以外は全て自分で食事をつくり、時には私達にご馳走を作ってくれることもありました。その姿に頭が下がったものです。

さて、今日は確定申告をする予定でパソコンに向かっていたのですが、生命保険控除に使う紙が見当たらなくて、いろいろファイルのページをめくっているのですが、いまだ見つかりません。探し疲れたのでブログを開いて貴兄のコメントに気づいたのです。
そんな訳で、返信が遅れ申し訳ございません。これからそちらのブログを覗きにまいりますhappy01

投稿: appochan | 2011年1月22日 (土) 16時05分

子供の活動の実態が父母や地域・行政を動かした様子を読み
どんな地域でも 校長・教師の指導の成果を実感すると周囲の
顔が学校に向いてくることを思いだしました
 その切り出しは校長であることを どれだけの校長が自覚し
実践に移していたか 当時も今も疑問を晴らすことは出来なでいます
 当時を思い起こし他に影響を及ぼしきれなかった非力を反省しています

投稿: kazu7477k | 2011年1月22日 (土) 20時41分

kazuさんが組織力を十分に機能させ学校改革・改善を図った姿から、私達は多くのことを学びました。
また、厳しさの中にも優しさがあり、絶えず若手教員を育てていたように思うのです。
私が管理職になれたのは、kazuさんが陰に陽に後押ししてくれたからだと感謝しています。
当時が懐かしいです。

投稿: appochan | 2011年1月22日 (土) 22時00分

コメントをいただいておきながら、ご返事が出来なく大変失礼しました。年末から先週までなかなか落ち着かずご連絡で来ませんでしたことお詫び申し上げます。
昨日から当地で日本のドラマ「スクール」を見出したのですが、現在の学校とはあんなものなのでしょうか? 唖然としてみております(笑)
今後とも小生の稚拙なブログですがよろしくお願い申し上げます。

投稿: 旅のスタイリスト | 2011年1月23日 (日) 01時14分

「旅のスタイリスト」さんのブログを改めて見ておりました。息を呑む様な素晴しい風景。感動、感動の連続ですhappy01
これからも楽しみにしております。

「スクール」は漫画的ですが、現在の学校を風刺した内容も取り上げられているように感じます。
学校事務・教育事務等で忙しい教育現場ですが、子どもとの裸の付き合いが大切であり、それが子どもの心を開き、子どもを変容へと導くものであると、私は体験的に思っております。

事務量や会議を減らし、子どもたちと触れ合う時間の確保が今求められているのではないでしょうか。それと「心のゆとり」を・・・・・。

投稿: appochan | 2011年1月23日 (日) 07時48分

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