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2014年9月11日 (木)

貴重なつまずき

勤務3校目の教員時代、友達の奥さんが手づくりしたオンパン(温飯:韓国料理)を食べながらよくマージャンを楽しんだ。その友達がある地方の研究所長となり、毎月発行している所報の巻頭言に次のようなことを書いていた。私も彼と同じ考えでいたので共感を覚えた。紹介しよう。

      貴重なつまずき

 「お子さんを休ませる?お母さん、どんな理由ですか」朝の電話に出ている教頭の声の調子が少し変である。聞いてみると、今朝、登校時友達に誘われたが、支度が遅くなり、一緒に登校できなかった。このことで友達にどんなことを言われるか心配で家で泣いているので、学校を「休ませます」との、子思いの母親のやさしい決断であった。

 子どもたちに「安心と安全」を保障するのは、大人の義務であろう。体のことを考えて小骨までとって与える魚料理、潜在する危険にも近づけない、嫌がることは絶対に排除し守ろうとする。だが、この世の中で完全な安全を保障できるであろうか。つまずいてこそ人間大きく育つのである。泣くこと、悩むこと、失恋すること、迷うこと等、成長に必要条件であろうと感じる。障害に挑戦という行為のすばらしさがそこにあると考えたい。

 俳優のミヤコ蝶々さんは、「経験から考えたのですが、芸の勉強ということをつづめていってしまえば『壁』との闘いの連続みたいなものです。〝芸〟の行き詰まりは、大きな壁のような障害物として意識されるわけで、目の前の壁に向って何度でも頭をぶつけてみる。そして、その壁を打ち破って行く。つまり、それが進歩ということなのであろう。壁を破るための苦しい闘いがあるからこそ、そのあとのよろこびがあり、また、次の壁に向かっていく勇気も生まれる」そして、自分は「済んだ過去を振り返って楽しむ人」である。失敗は二度と繰り返したくないが、もし、繰り返してももう馴れているし、苦労もそんなに辛くないと述べている。

 3割打者の願いは、7割の失敗を認めながら、残りの3割のために努力することであろう。ものは考えよう焦ることはない。物事思うようにいくことが珍しいのであって、珍しいことに出会うまでに、どう生活まするかがその人の暮し方生き方である。その間の対応をくたびれることなく継続できる人だけが喜びに満ちた生活ができるのではなかろうか。つまずきは個性を輝かせ発展させる原動力になる貴重品として扱いたいのである。

私もこれまでのブログで「北風の教育」「逆境の教育」について書いてきたが、考え方は友の巻頭言と全く同じなのだ。

この文は平成11年2月10日発行の所報に掲載されたものであり、今から15年前に書かれた巻頭言なのだが、議会の一般質問で〝困難や危険を排除すべきである〟と唱える議員がいるので、答弁資料として保存していたものである。

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コメント

 管理人様がこの引用記事通りの人であることは良く分かっています。管理人様が書いた文章のように思えます。
 壁は打ち破れたら蝶々さんですね。彼女も旦那に泣かされた人です。その他に泣かした人はたくさんいたと思えます。素晴らしいですね。
 でも当方は壁があったら避ける口です。万里の長城でも限度はあるし、壊れた個所もあるでしょう。ひたすらコツコツ歩けば、良い口を見つけられました。
 壁に穴がなく、右も左もいけない様な牢獄ならどうしましょう。エドモンダンテスのように逃げるのは大変です。彼らは失敗しましたがトンネルを掘って逃げ出すのも良いのかも。イカロスのように羽を作って高跳びし、墜落しても悔いはないと思って生きてきました。私は三十六計逃げるに如かずが一番合っています。
 完璧に賛同できる論旨ですので、管理人様に昔権現様逃げるが勝ちも追加していただけたら幸甚です。(笑)

投稿: tsuguo-kodera | 2014年9月12日 (金) 13時16分

tsuguo-koderaさんへ
ユーモア溢れたコメント、笑いながら読みました。
ユーモアも健全な精神から生まれるのでしょうね。
貴兄のコメントに刺激を受けており感謝感激です。

投稿: appochan | 2014年9月12日 (金) 16時39分

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